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意味のない憂鬱
お題配布元⇒約30の嘘

田村君。ノッカー+ミシェル+勇者×ミーリニア。

「シキを知らないか?」と尋ねられたので、「知ってはいる」と返したら「そういう意味じゃない!」とがなられた。俺は別に間違った事は言っていないのに、納得がいかん。
 チェカットが、目を離したすきにいなくなっていたらしい。それは全てお前の管理不行き届きのせいだろう。呆れる。
 こいつの助けになどなりたくないが、如何せん事務所は広いので俺は一緒に捜してやる事にした。第一、俺もチェカットの事が心配だ。
 こういう時はまずイブキに訊くべきなのだろうが、あの男、肝心な時に連絡がつかない。これだから四班は困るな。
 四班といえば、最近よくチェカットはミシェル班長と一緒にいる気がする。その事を隣にいる男に告げると、「あいつ、ミシェルの焼き立て手作りパンに釣られたのか……!」とか、彼女の事を動物か何かだとしか思っていないような発言をした。ちょっと失礼じゃないか、それ。あいつだって、物に釣られるような年でもないだろう。

 ――釣られてた。
 レタスの多めに入ったサンドウィッチを頬張っているチェカットは、大股で部屋へと入ってきた自身の幼馴染に「お、ま、え、なぁー!」と怒鳴られている。
 この部屋の主であるミシェル班長は、急に賑やかになった室内に機嫌を良くし「いらっしゃーい。君達もパンを食べて行きなよー」と最近のマイブームらしい手作りパンをすすめてきた。折角なのでご馳走になる事にしたら、「お前も食ってんじゃない!」と俺まで奴に怒られる羽目となる。確かにこいつは普段から俺に対して生意気な態度をとる事が多いが、今日はいつも以上に機嫌が悪くないか。悪いものでも食べたのだろうか。これだから二班は困るな。
「まーだー、食べてるでしょうがー!」とわいのわいの騒いでいるチェカットを、白い髪の青年は小脇に抱える。

「えー、帰っちゃうの? もっとゆっくりしていきなよ」
「いや……、今日は用事があるんだ。こいつが迷惑をかけて、悪いな」
「いいや、大丈夫だよ。またいつでもきなよ。孫が増えたみたいで、ジジイも嬉しいし」

 ミシェル班長の言葉に、何故か奴はばつの悪そうな顔をした。意味が分からん。
 チェカットは今自分を抱え上げている人物に怒られた事など忘れて、ニコニコと笑いながらミシェル班長に手を振っている。班長も、その渋い見た目に似合わぬ仕草で振り返す。確かに、その姿は祖父と孫に見えなくもない。
 二人が部屋から出たのを確認し、ふぅーと長い溜息を老翁は吐いた。どこか微笑ましそうに目を細め、貫録のある声音で、それとは裏腹に軽快な口調を纏い彼は言葉を紡いでいく。

「勇者くんは、ジジイのダンディズムな魅力に、ミーリニア君がメロメロになっちゃったら困る……って思っちゃったのかもねぇ」
「はあ?」
「好きな子を、自分以外の人と二人きりにはしたくないお年頃なのよ。たとえ、相手がジジイであってもね。いやぁ、悪い事したなぁ」

 つまり、奴はミシェル班長相手にヤキモチを焼いたという事なのだろうか。わけが分からん。
「子供じゃあるまいし」呟くと、「いや、君も子供だけどね」と言われて、ううむ俺は子供だったのか、と少し悩んでしまう。まぁ、なんであれ俺は俺にやれる事をやるだけだな、と下らない悩みは二秒で終了させ、俺は仕事に戻る事にした。

 ◆

 休憩がてら自室に戻ったら、何故かそこにエフィレがいたのでぎょっとする。

「お前、人の部屋に勝手に入るなと何度言ったら分かるんだ」
「良いじゃない別に。あ、ノッカーも私の部屋にいつでも入って良いわよ」

 ふざけてんのか、こいつは。
 それからいくつか話をして、途中で彼女の兄の話題になったので、「あいつは、ミシェル班長相手でも嫉妬などをするのか」と同僚のあまりの痴態に苦言をもらしたら、エフィレは「貴方に、兄さんの爪の垢を煎じて飲ませたいわ。ジョッキで」とか真顔で言ってきた。なんでだ。
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