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さよなら、ペンフレンド。
オリジナル。

『良かったら仲良くしてください』、そう書かれたメモをお釣りやらレシートやらと一緒に渡された時、僕は思ったね。おいおいマジかよ、って。
 相手は本屋のバイトをしてる、僕と同い年くらいの眼鏡をかけた女の人。大人しい雰囲気を持つ人で顔もまぁまぁ可愛かった。
 可愛い子には優しくが信条なので、僕は次の日その本屋に行った時、一冊の文庫と千円札と一緒にお返事のメモまで彼女に進呈したんだ。『僕で宜しければ』ってね。

 それから僕と彼女の文通らしきものが始まった。大人しめに思えた彼女は実はたいしたチャレンジャーで、色々な事に挑戦したがってると知ったのもこの時だった。僕に突然手紙を渡してきたのも、新たな事に挑戦したかったからだ、と彼女の丸くて可愛いらしい文字は語る。
 くだらない世間話をメモに書いて交換しあう日々は続いていく。
 一週間に一度、会社帰りに本を買うのが僕の唯一の楽しみだったのだけれど、彼女のおかげで楽しみがもう一つ増えた。
 小さなメモに可愛い文字で綴られた言葉を見ていると、ついつい顔がにやけてしまう。
 僕は彼女に惹かれていたのだ。恐らく、恋に落ちている。


 ある日、僕は彼女に一枚の手紙だけ渡してその場から逃げ出した。驚いた顔で彼女が握り締めているそのメモ切れには、たった一言こう書かれている。

『好きです』

 ◆

 そんな臆病な告白から一ヶ月程後。僕は今でも本屋へと通っている。
 ただし、店内に彼女の姿は無い。それはそうである。
 彼女、本屋を辞めてしまったのだ。

 今は、“主婦”に挑戦をする準備中らしい。
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