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オリジナル中心。お題攻略もしてます。

   
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切れない小指。
オリジナル。お題、『人形』。

 人類の終わりっていうのは案外簡単にやってくるものだったらしい。
 俺はちょうどその時怯えまくってるマスターの隣で自分のネジをくるくる巻き直すのに夢中で、マスターが倒れた事にすら気付かなかった。だから俺は彼らが最後に何て言ったのか、どんな顔をしていったのかを知らない。
 色々と命令をしてくれていた主人がいなくなり、俺はどうすれば良いのか分からなかった。明日の予定どころか、一秒後の予定すらまともにたてれやしない。
 仕方ないから、つい先日までこの世界の上を我が物顔で闊歩していた人間達に習い、とあるものを用意して外に出てみるた。
 みんな考える事は同じなようで、街の中ではたくさんのガラクタ達が俺と同じものを手にしながらうろちょろと右往左往中。
 濁った空の下、主人のいなくなった哀れな彼らは「俺は赤にした。俺のマスターは赤が好きだったような気がする。いや、ピンクだったかも」「馬鹿、最近は青色が流行ってんだよ」「時代の最先端は白。異論は認めない」と馬鹿みたいに言葉を交わしている。
「そういえば、私達これからどうなるのかな?」、そんな重要な話題が誰かの口からようやく出たのは、だいぶ時間のたった後だった。
 何個か頭の良く作られている奴らが意見を出したけれど、結局最後は「仕える相手もいなくなったし、俺達もそろそろ休もうぜ」という結論に行き当たった。異論を唱える人なんていない。多分みんな疲れていたのだ。
 すでに倒れていた人間達の上に、動かなくなった俺の仲間達が重なっていく。世界から動くものがどんどんと消えていく。そんな中、ただ一人だけ止まる気もなくその場に立ち続けている影があったから、俺はその子に声をかけてみた。どうしたの? 何で君はそこに立ち続けてるの? 疲れてないの? って訊いてみたら、彼女、にこりと笑みを浮かべる。肯定とも否定ともとれない、弱々しい笑み。

「暇だから私、プランクトンが生まれるのを待つ事にしたの」

 って、さらっとその子はのたまいやがった。頭の足りない(二つの意味で)俺には全く彼女の言っている言葉の意味が分からなかったけれど、「そっかぁ」って適当に相槌だけはうっておく事にする。

 人類の終わりっていうのは案外簡単にやってきた。
 世界は一面の花畑ならぬ、色とりどりの花束畑。「さようなら」と言うべきでも「ありがとう」と言う気もなかったので、俺は手にしていた黄色の花束をその場へと放ると、今はもういない人間達にこう笑ってやるのだ。「お疲れ様」また、来世で。
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