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Iパレまとめ。
田村君。会話文オンリー。
「ノッカーって本当に私の事を好きなのかしら……」
「何を一人でぶつぶつと言っているんだ。本人が隣にいるんだから、直接訊けば良いだろう」
「ノッカーって、私の事を本当に好きなの?」
「そんな恥ずかしい事を本人に訊くな」
――――
「ツェルナー! ちょっとこっちこい!」
「え!? にゃんですか、ノッカー先輩。申し訳にゃいのですが、ちょっとだけ待ってくれませんかにゃ? 実はさっき川に帽子を落としちゃったんですにゃ……」
「俺はそれについてお前に言いたい事があるんだ!」
「ええ!? にゃんですかにゃ!?」
「貴様、自分の耳を落とすとは何事だぁ!?」
「ごごごごごめんなさい! ついうっかり! 強風がですね!」
「言い訳をするな! 自分の体の一部を落とす奴がどこにいる!? 大体、お前は普段から少し能天気すぎるんだ! もっと気を引き締めろ!」
「あの……ノッカー先輩、あれは帽子ですにゃ。帽子なんですにゃ」
「そんな事は知っている!」
「???」
◆
「あら、ノッカー。どうしたの、ずぶ濡れじゃない。今日は湖の底の探索にでも行ったの? 水の中で人間は息をする事が出来ないのよ?」
「エフィレ」
「何?」
「お前は、何があっても耳は落とすなよ。大事なものの管理くらい、自分でしっかりとしろ。いつまでも俺が面倒を見てやれるわけじゃないからな」
「? ええ、分かったわ。ノッカーも気をつけてね」
――――
「ユージンは変態だと思うにゃ」
「何を今更言ってんのさー」
「なんですか二人して急に! 私は紳士ですよ!」
「ユージンはおんにゃのこの懐にも平気で武器を隠す変態だと思うにゃ」
「待ってください、私だって女性に隠す時はちゃんと気を使いつつ隠しますよ。紳士ですから」
「どっちにしろ隠すなら君が変態である事に変わりはないと思うんだー」
「あ、ですが、バジル先輩には一切気を使ってませんからね。安心してください」
「え、ちょ、無理だよ! 安心出来にゃいよ! バジルも一応おんにゃのこにゃんだけど……」
「バジル先輩の事は、女性である前に一人の大切な友人として見ていますから!」
「ええええ、女性扱いしてくださー!」
「すみません。私、バジル先輩の事好みじゃないんで……本当、バジル先輩みたいな人だけは無理なんで……」
「あっはっはっ! フラれてやんの! フラれてやんのー!」
「そういう意味で言ったんじゃないにゃぁああああああぁああ!」
「あ、ノッカーせんぱーい! バジルの奴がユージンにフラれちゃったんですよ。慰めてやってくださいよ」
「違いますにゃあ! そういう誤解を招くような事言うのやめてくださー!」
「それよりお前ら、仕事はどうしたんだ? 前から思っていたが、お前達は休憩が多い上長すぎないか?」
「だってさ。早く仕事に戻りなよ、ユージン」
「え、私だけなんですか?」
「お前にも言ってるんだ、クリストファー。お前が休んでる間に働いてる奴もいるんだ。もう少し他の奴の事も考えろ」
「はい、以後気をつけます!」
「前もそう言っていたが、本当に気をつける気はあるのか?」
「きっとないですにゃ! ノッカー先輩、こいつに灸をすえてやってくださいにゃ!」
「あー……。ツェルナーも、たかだか失恋なんぞに落ち込まず、今後もしっかりと仕事にだな……。沈んだ気持ちは根性で乗り切れ。本調子になるまで、自分もフォローしてやるから」
「ちょ、あの、ご、誤解ですにゃあ」
――――
「またハイカードに断られた。あたい、何かあの事務所に失礼でもしちゃったのかな……」
「ハイカード? 何故だろう。凄くそそられる。そこには俺の倒さなきゃいけない人がいるような気がする」
「え、た、倒すのはやめておくれよ。あんたまさか、そう言って色々な人に迷惑かけてるんじゃないだろうね?」
「馬鹿を言うな! 勇者が人に迷惑をかけるわけないだろう! むしろかけられるのが勇者だ!」
「……あんた、それで良いのかい? あんたの人生それで良いのかい?」
あたい、心配だよ……。
――――
「ノッカー」
「どうした?」
「もし私より先に貴方が死んだら、私は貴方の事を許さないと思うのよ。それでも良い?」
「ああ」
「ありがとう」
うそつきだわ、私達って。
――――
「ジジイ考えたよ」
『考えないでください』
「班長が何か考えるとろくな事にならないで御座る」
「そんな事言わないで、ちょっとだけ年寄りの戯言に付き合ってよ。なんだったらジジイ、土下座しても良いよ」
『やめてください』
「班長はもう少し班長としての威厳を持つべきで御座る」
「ジジイ、最近お色気に飢えてるんだよね」
『魔術でぶっ飛ばして良いですか?』
「年を考えてほしいで御座る」
「違うのよ、こう、えろいのじゃなくて。心の癒し? みたいな? 的な? ね?」
『曖昧な言葉で誤魔化そうとしないでください』
「拙者も癒しはほしいで御座る。拙者的にはえろいほうのほうが欲しいで御座る」
「だよね。癒しほしいよね。さすがイブキ君、話が分かるー」
『ちょっと待ってよブッキー、裏切る気? アタシの事敵に回したらどうなると思ってんの? 泣かすわよ? 泣かして故郷帰すわよォ?』
「別に拙者、最初からギッキ殿の味方ではないで御座るよ」
「それでね、この事務所にさー。制服制度を設けてもらうように頼もうかと思ってるんだよね。ジジイ、制服とか大好きなんだよね。おもに女の子の。というか女の子オンリー?」
「えろジジイ死ねば良いのに」
「なんと! 声に出して言うとは!」
「えー、ギッキ君、きっと凄い制服とか似合うと思うよ。みんなメロメロだよ。メロメロメロンだよ。ジジイもメロメロになったあまりに若返って第二の人生を歩み始めるに違いないよ」
『アタシがメロメロメロンにしたいのはこの世でただ一人だけなので、いいです』
「その一人に合掌」
「じゃあジジイも合掌」
『OK、分かったわぁ。二人とも、そのまま手を合わせてなさいよ。ただし自分自身のためにね』
――――
「ノッカー先輩! 本当この間のは誤解ですからね! バジルはユージンにフラれてにゃんかいませんからね!」
「……。ああ、分かっている。いちいちそんなくだらない事を言いにくるのはやめろ」
「にゃら良いんですけど……」
◆
親しい友人に告白した挙句フラれ、それでも友人である事はやめられず。
失恋の痛手が癒えぬうちに舞い込む仕事へと応対し。俺に心配をかけまいと気丈に振る舞う……。
「可哀相なツェルナー……」
「事情はよく分からないけど、多分可哀相なのは貴方のほうよ、ノッカー」
――――
バジル「班長、大好きですにゃー!」
ヘルマン「ハハハ、参ったなこりゃ。オイラにもついにモテ期がやってきやがった!」
バジル「にゅふふ。バジルは大きくなったら班長と結婚しますにゃ!」
ヘルマン「おうおう! 幸せにしてやらぁ!」
ユージン「『ヘルマン班長は既婚者ですよ』とツッコミを入れるべきか、『バジル先輩はもうすでに大きいでしょうが』とツッコミを入れるべきか……」
クリストファー「『バジルって本当子供だよね、ウケる』って言えば、どちらへのツッコミにもなると思うよ。バジルって本当子供だよね、ウケる」
バジル「お前らうるさいですにゃ」
――――
ぐれーてる「あ、ニンジャだ。ニンジャがニンジャの格好してない」
バティドゥア「プライベートニンジャでござる」
ぐれーてる「プライベートニンジャ」
イブキ「!? 貴様等何故此処に!?」
ぐれーてる「俺達がいつどこにいようと俺達の勝手だし、どうでもいいだろうが」
バティドゥア「プライベートニンジャでござる」
イブキ「貴様は少ししつこいで御座る。拙者、こう見えても仕事中の身故……放っておいてはくれまいか? 貴様等と違って本日もIパレは多忙で御座るよ」
ぐれーてる「プライベートニンジャ、俺達今から飲みに行くんだけど一緒に行かねぇ?」
イブキ「プライベートじゃないと何度言えば分かってくれるのだろうか」
バティドゥア「何度言っても分からないでござる。何故なら分かる気がないから」
ぐれーてる「仕事なんてどうでもいいから飲みに行こうぜ」
イブキ「相変わらずNamelessのノリは理解不能だ……」
ぐれーてる「なぁなぁ、なんで仕事中なのにニンジャの格好してねぇの?」
イブキ「或る人物をつけている途中だからで御座る。此処だけの話、普段の拙者の格好は逆に目立つで御座るよ」
ぐれーてる「それでもニンジャかお前は」
バティドゥア「いついかなる時もニンジャとして生きるのがニンジャではないでござるか?」
イブキ「貴様等ニンジャニンジャ五月蝿いで御座る」
バティドゥア「拙者はいつでもサムライを愛しサムライの格好をしているでござるのに、イブキ殿ときたら……」
ぐれーてる「ああ、ニンジャとして失格だよな」
イブキ「拙者がニンジャ失格ならば、貴様などそもそも最初からサムライではないわ!」
バティドゥア「でも拙者は正真正銘のサムライでござるよ?」
イブキ「バティドゥア、貴様、しばらく会わぬ内に嘘が下手になったな」
バティドゥア「ははは、イブキ殿にそれを言われたらおしまいでござる。なぁ?」
ぐれーてる「なぁ?」
イブキ「それはいったいどういう意味だ」
ぐれーてる「だって、お前いつも嘘ついてんじゃん。たとえば、しんちょ」
イブキ「NO! それ以上は駄目! 人の古傷抉らないで!」
バティドゥア「主に身長でござる」
イブキ「言うか普通!? 嫌がってる事を言うか!? 嗚呼、もう我慢ならん! 決闘だ!」
ぐれーてる「よしきた! 相手になってやろうじゃん!」
イブキ「貴様ではない!」
バティドゥア「『よしきた』じゃないでござるよ。面倒くさい。っつーか、おぬし、仕事はいいんでござるか?」
イブキ「良いか悪いかで言えば物凄く悪いが、そんなもの貴様との決着の前では取るに足らぬもので御座る!」
リーゼロッテ「……そんな事言わないで、ちゃんと仕事しておくれよ、イブキ」
あたい一人じゃ不安だよ……。
――――
ギッキ『今月も返事はなし。毎月毎月手紙を送ってるのに、どうして返事がこないのかしらねぇ……。ブッキー、ちゃんと届けてくれてんの? あんたまさか、アタシの愛のこもった手紙を途中で食べたりとかしてないわよねぇ?』
イブキ「拙者はヤギか」
ギッキ『似たようなもんじゃない。……嗚呼、オズワルド様オズワルド様。アタシの愛しのオズワルド様。もう何年貴方の顔を直接拝んでいない事か……。ブッキーに撮らせた隠し撮り写真がなかったら、今頃アタシは寂しさで死んでおります。オズワルド様もきっと今頃アタシに会えない寂しさで胸をいっぱいにしている事でしょう、おいたわしやオズワルド様』
ノッカー「おい、こいつはいったい何を言ってるんだ?」
エフィレ「……軽く流してあげてちょうだい」
ギッキ『にしても、どうしてアタシがオズワルド様に直接会おうとすると、ちょうどよく邪魔が入ったり入れ違いになったりするのかしらね。アタシとオズワルド様の仲を妬む何者かの陰謀としか思えないわ……』
エフィレ(それは、彼がギッキから逃げているせいね)
エマンセ(逃げてるからだろうな)
イブキ(逃げてるからで御座る)
ノッカー「お前、もしかしてあの人に避けられているんじゃないか?」
―――
ミズハシ「勇者って事は、死んでも生き返るんですかね?」
エマンセ「? いや、普通に死ぬ時は死ぬだろ。死んでも生き返るって、俺はいったい何者だよ。先代勇者なんてあれだぞ、階段から足を滑らせて頭打って死んだし」
ミズハシ「それ、ただの事故じゃないですか! 失礼かもしれませんけど、そんな人に世界が救えるんですか……?」
エマンセ「だから救う前に死んだんだろうが」
―――
「エフィレ」
「何?」
「今からとても女々しい質問をしようと思うんだが……構わないか?」
「良いわよ」
「お前、俺のどこが好きなんだ?」
「そうね……、それは私が私に一番訊きたい事だわ」
「……そうか」
◆
「じゃあ、ノッカーは私のどこが好きなの?」
「そうだな。しいて挙げるなら」
「……」
「顔だな」
「……予想外だわ」
――――
「イブキ君、ジジイこんな噂を聞いちゃったよ。イブキ君は、呼べばどこにでも現れる神出鬼没な人みたいに他の人には思われているらしいね」
「基本誰かに呼ばれたら駆けつけているで御座るからな」
「じゃあ、ジジイが呼んだ時はどうしてきてくれないのかな?」
「班長がまともな用件で拙者を呼ぶ事がないからで御座るよ」
「ジジイだってね、ジジイだけど! ジジイだけど立派に生きてるんだよ!」
「知ってます。それで、今日はいったいどんな用件で?」
「ジジイ、最近囲碁始めたんだよねー。ジジイっぽくて良いでしょ? イブキ君、良かったらジジイと今から一局打とうよー」
「拙者、忙しいんで帰りますね」
――――
「たとえば、あそこのテーブルに貴方の部下が座っているの」
「座っていないじゃないか」
「"たとえば"の話だってば……。でね、その隣のテーブルには私が座っているのよ。さて、ノッカー先輩はいったいどちらのテーブルに向かうのかしら? どちらのテーブルに座りたい?」
「部下」
「即答って……。やっぱり貴方、私より部下の子達の方が好きなのよね」
「いや、お前も一応俺の部下だろうが」
「え、部下のほうに私も入ってるの? 私を入れちゃ駄目よ? だって、それだと私分裂してない?」
「心配するな。もう一人のほうのエフィレも、俺がすぐにこっちのテーブルに呼んでやる。みんなで一つのテーブルを囲めば全部解決じゃないか!」
「違うのよ、ノッカー。私はとんち問題がしたかったわけじゃないのよ」
――――
「三班の班長さん! 見てください!」
「見るだけで良いのか?」
「見るだけで良いんです! ほら、これ! にゃんこ帽子ですよ! やっと手に入れたんです!」
「そうか。見たぞ」
「更に見てください! どうですか! 被ると、まるでバジルに本当に猫の耳がはえたみたいに見えませんか!?」
「そうだな」
「バジルにもついに念願の猫耳がついたのです! もうこれはバジルの一生の宝物ですにゃ!」
「……にゃ?」
バジルがまだ事務所に入ったばかりで、あんまり猫語を使ってなかった頃。
「何を一人でぶつぶつと言っているんだ。本人が隣にいるんだから、直接訊けば良いだろう」
「ノッカーって、私の事を本当に好きなの?」
「そんな恥ずかしい事を本人に訊くな」
――――
「ツェルナー! ちょっとこっちこい!」
「え!? にゃんですか、ノッカー先輩。申し訳にゃいのですが、ちょっとだけ待ってくれませんかにゃ? 実はさっき川に帽子を落としちゃったんですにゃ……」
「俺はそれについてお前に言いたい事があるんだ!」
「ええ!? にゃんですかにゃ!?」
「貴様、自分の耳を落とすとは何事だぁ!?」
「ごごごごごめんなさい! ついうっかり! 強風がですね!」
「言い訳をするな! 自分の体の一部を落とす奴がどこにいる!? 大体、お前は普段から少し能天気すぎるんだ! もっと気を引き締めろ!」
「あの……ノッカー先輩、あれは帽子ですにゃ。帽子なんですにゃ」
「そんな事は知っている!」
「???」
◆
「あら、ノッカー。どうしたの、ずぶ濡れじゃない。今日は湖の底の探索にでも行ったの? 水の中で人間は息をする事が出来ないのよ?」
「エフィレ」
「何?」
「お前は、何があっても耳は落とすなよ。大事なものの管理くらい、自分でしっかりとしろ。いつまでも俺が面倒を見てやれるわけじゃないからな」
「? ええ、分かったわ。ノッカーも気をつけてね」
――――
「ユージンは変態だと思うにゃ」
「何を今更言ってんのさー」
「なんですか二人して急に! 私は紳士ですよ!」
「ユージンはおんにゃのこの懐にも平気で武器を隠す変態だと思うにゃ」
「待ってください、私だって女性に隠す時はちゃんと気を使いつつ隠しますよ。紳士ですから」
「どっちにしろ隠すなら君が変態である事に変わりはないと思うんだー」
「あ、ですが、バジル先輩には一切気を使ってませんからね。安心してください」
「え、ちょ、無理だよ! 安心出来にゃいよ! バジルも一応おんにゃのこにゃんだけど……」
「バジル先輩の事は、女性である前に一人の大切な友人として見ていますから!」
「ええええ、女性扱いしてくださー!」
「すみません。私、バジル先輩の事好みじゃないんで……本当、バジル先輩みたいな人だけは無理なんで……」
「あっはっはっ! フラれてやんの! フラれてやんのー!」
「そういう意味で言ったんじゃないにゃぁああああああぁああ!」
「あ、ノッカーせんぱーい! バジルの奴がユージンにフラれちゃったんですよ。慰めてやってくださいよ」
「違いますにゃあ! そういう誤解を招くような事言うのやめてくださー!」
「それよりお前ら、仕事はどうしたんだ? 前から思っていたが、お前達は休憩が多い上長すぎないか?」
「だってさ。早く仕事に戻りなよ、ユージン」
「え、私だけなんですか?」
「お前にも言ってるんだ、クリストファー。お前が休んでる間に働いてる奴もいるんだ。もう少し他の奴の事も考えろ」
「はい、以後気をつけます!」
「前もそう言っていたが、本当に気をつける気はあるのか?」
「きっとないですにゃ! ノッカー先輩、こいつに灸をすえてやってくださいにゃ!」
「あー……。ツェルナーも、たかだか失恋なんぞに落ち込まず、今後もしっかりと仕事にだな……。沈んだ気持ちは根性で乗り切れ。本調子になるまで、自分もフォローしてやるから」
「ちょ、あの、ご、誤解ですにゃあ」
――――
「またハイカードに断られた。あたい、何かあの事務所に失礼でもしちゃったのかな……」
「ハイカード? 何故だろう。凄くそそられる。そこには俺の倒さなきゃいけない人がいるような気がする」
「え、た、倒すのはやめておくれよ。あんたまさか、そう言って色々な人に迷惑かけてるんじゃないだろうね?」
「馬鹿を言うな! 勇者が人に迷惑をかけるわけないだろう! むしろかけられるのが勇者だ!」
「……あんた、それで良いのかい? あんたの人生それで良いのかい?」
あたい、心配だよ……。
――――
「ノッカー」
「どうした?」
「もし私より先に貴方が死んだら、私は貴方の事を許さないと思うのよ。それでも良い?」
「ああ」
「ありがとう」
うそつきだわ、私達って。
――――
「ジジイ考えたよ」
『考えないでください』
「班長が何か考えるとろくな事にならないで御座る」
「そんな事言わないで、ちょっとだけ年寄りの戯言に付き合ってよ。なんだったらジジイ、土下座しても良いよ」
『やめてください』
「班長はもう少し班長としての威厳を持つべきで御座る」
「ジジイ、最近お色気に飢えてるんだよね」
『魔術でぶっ飛ばして良いですか?』
「年を考えてほしいで御座る」
「違うのよ、こう、えろいのじゃなくて。心の癒し? みたいな? 的な? ね?」
『曖昧な言葉で誤魔化そうとしないでください』
「拙者も癒しはほしいで御座る。拙者的にはえろいほうのほうが欲しいで御座る」
「だよね。癒しほしいよね。さすがイブキ君、話が分かるー」
『ちょっと待ってよブッキー、裏切る気? アタシの事敵に回したらどうなると思ってんの? 泣かすわよ? 泣かして故郷帰すわよォ?』
「別に拙者、最初からギッキ殿の味方ではないで御座るよ」
「それでね、この事務所にさー。制服制度を設けてもらうように頼もうかと思ってるんだよね。ジジイ、制服とか大好きなんだよね。おもに女の子の。というか女の子オンリー?」
「えろジジイ死ねば良いのに」
「なんと! 声に出して言うとは!」
「えー、ギッキ君、きっと凄い制服とか似合うと思うよ。みんなメロメロだよ。メロメロメロンだよ。ジジイもメロメロになったあまりに若返って第二の人生を歩み始めるに違いないよ」
『アタシがメロメロメロンにしたいのはこの世でただ一人だけなので、いいです』
「その一人に合掌」
「じゃあジジイも合掌」
『OK、分かったわぁ。二人とも、そのまま手を合わせてなさいよ。ただし自分自身のためにね』
――――
「ノッカー先輩! 本当この間のは誤解ですからね! バジルはユージンにフラれてにゃんかいませんからね!」
「……。ああ、分かっている。いちいちそんなくだらない事を言いにくるのはやめろ」
「にゃら良いんですけど……」
◆
親しい友人に告白した挙句フラれ、それでも友人である事はやめられず。
失恋の痛手が癒えぬうちに舞い込む仕事へと応対し。俺に心配をかけまいと気丈に振る舞う……。
「可哀相なツェルナー……」
「事情はよく分からないけど、多分可哀相なのは貴方のほうよ、ノッカー」
――――
バジル「班長、大好きですにゃー!」
ヘルマン「ハハハ、参ったなこりゃ。オイラにもついにモテ期がやってきやがった!」
バジル「にゅふふ。バジルは大きくなったら班長と結婚しますにゃ!」
ヘルマン「おうおう! 幸せにしてやらぁ!」
ユージン「『ヘルマン班長は既婚者ですよ』とツッコミを入れるべきか、『バジル先輩はもうすでに大きいでしょうが』とツッコミを入れるべきか……」
クリストファー「『バジルって本当子供だよね、ウケる』って言えば、どちらへのツッコミにもなると思うよ。バジルって本当子供だよね、ウケる」
バジル「お前らうるさいですにゃ」
――――
ぐれーてる「あ、ニンジャだ。ニンジャがニンジャの格好してない」
バティドゥア「プライベートニンジャでござる」
ぐれーてる「プライベートニンジャ」
イブキ「!? 貴様等何故此処に!?」
ぐれーてる「俺達がいつどこにいようと俺達の勝手だし、どうでもいいだろうが」
バティドゥア「プライベートニンジャでござる」
イブキ「貴様は少ししつこいで御座る。拙者、こう見えても仕事中の身故……放っておいてはくれまいか? 貴様等と違って本日もIパレは多忙で御座るよ」
ぐれーてる「プライベートニンジャ、俺達今から飲みに行くんだけど一緒に行かねぇ?」
イブキ「プライベートじゃないと何度言えば分かってくれるのだろうか」
バティドゥア「何度言っても分からないでござる。何故なら分かる気がないから」
ぐれーてる「仕事なんてどうでもいいから飲みに行こうぜ」
イブキ「相変わらずNamelessのノリは理解不能だ……」
ぐれーてる「なぁなぁ、なんで仕事中なのにニンジャの格好してねぇの?」
イブキ「或る人物をつけている途中だからで御座る。此処だけの話、普段の拙者の格好は逆に目立つで御座るよ」
ぐれーてる「それでもニンジャかお前は」
バティドゥア「いついかなる時もニンジャとして生きるのがニンジャではないでござるか?」
イブキ「貴様等ニンジャニンジャ五月蝿いで御座る」
バティドゥア「拙者はいつでもサムライを愛しサムライの格好をしているでござるのに、イブキ殿ときたら……」
ぐれーてる「ああ、ニンジャとして失格だよな」
イブキ「拙者がニンジャ失格ならば、貴様などそもそも最初からサムライではないわ!」
バティドゥア「でも拙者は正真正銘のサムライでござるよ?」
イブキ「バティドゥア、貴様、しばらく会わぬ内に嘘が下手になったな」
バティドゥア「ははは、イブキ殿にそれを言われたらおしまいでござる。なぁ?」
ぐれーてる「なぁ?」
イブキ「それはいったいどういう意味だ」
ぐれーてる「だって、お前いつも嘘ついてんじゃん。たとえば、しんちょ」
イブキ「NO! それ以上は駄目! 人の古傷抉らないで!」
バティドゥア「主に身長でござる」
イブキ「言うか普通!? 嫌がってる事を言うか!? 嗚呼、もう我慢ならん! 決闘だ!」
ぐれーてる「よしきた! 相手になってやろうじゃん!」
イブキ「貴様ではない!」
バティドゥア「『よしきた』じゃないでござるよ。面倒くさい。っつーか、おぬし、仕事はいいんでござるか?」
イブキ「良いか悪いかで言えば物凄く悪いが、そんなもの貴様との決着の前では取るに足らぬもので御座る!」
リーゼロッテ「……そんな事言わないで、ちゃんと仕事しておくれよ、イブキ」
あたい一人じゃ不安だよ……。
――――
ギッキ『今月も返事はなし。毎月毎月手紙を送ってるのに、どうして返事がこないのかしらねぇ……。ブッキー、ちゃんと届けてくれてんの? あんたまさか、アタシの愛のこもった手紙を途中で食べたりとかしてないわよねぇ?』
イブキ「拙者はヤギか」
ギッキ『似たようなもんじゃない。……嗚呼、オズワルド様オズワルド様。アタシの愛しのオズワルド様。もう何年貴方の顔を直接拝んでいない事か……。ブッキーに撮らせた隠し撮り写真がなかったら、今頃アタシは寂しさで死んでおります。オズワルド様もきっと今頃アタシに会えない寂しさで胸をいっぱいにしている事でしょう、おいたわしやオズワルド様』
ノッカー「おい、こいつはいったい何を言ってるんだ?」
エフィレ「……軽く流してあげてちょうだい」
ギッキ『にしても、どうしてアタシがオズワルド様に直接会おうとすると、ちょうどよく邪魔が入ったり入れ違いになったりするのかしらね。アタシとオズワルド様の仲を妬む何者かの陰謀としか思えないわ……』
エフィレ(それは、彼がギッキから逃げているせいね)
エマンセ(逃げてるからだろうな)
イブキ(逃げてるからで御座る)
ノッカー「お前、もしかしてあの人に避けられているんじゃないか?」
―――
ミズハシ「勇者って事は、死んでも生き返るんですかね?」
エマンセ「? いや、普通に死ぬ時は死ぬだろ。死んでも生き返るって、俺はいったい何者だよ。先代勇者なんてあれだぞ、階段から足を滑らせて頭打って死んだし」
ミズハシ「それ、ただの事故じゃないですか! 失礼かもしれませんけど、そんな人に世界が救えるんですか……?」
エマンセ「だから救う前に死んだんだろうが」
―――
「エフィレ」
「何?」
「今からとても女々しい質問をしようと思うんだが……構わないか?」
「良いわよ」
「お前、俺のどこが好きなんだ?」
「そうね……、それは私が私に一番訊きたい事だわ」
「……そうか」
◆
「じゃあ、ノッカーは私のどこが好きなの?」
「そうだな。しいて挙げるなら」
「……」
「顔だな」
「……予想外だわ」
――――
「イブキ君、ジジイこんな噂を聞いちゃったよ。イブキ君は、呼べばどこにでも現れる神出鬼没な人みたいに他の人には思われているらしいね」
「基本誰かに呼ばれたら駆けつけているで御座るからな」
「じゃあ、ジジイが呼んだ時はどうしてきてくれないのかな?」
「班長がまともな用件で拙者を呼ぶ事がないからで御座るよ」
「ジジイだってね、ジジイだけど! ジジイだけど立派に生きてるんだよ!」
「知ってます。それで、今日はいったいどんな用件で?」
「ジジイ、最近囲碁始めたんだよねー。ジジイっぽくて良いでしょ? イブキ君、良かったらジジイと今から一局打とうよー」
「拙者、忙しいんで帰りますね」
――――
「たとえば、あそこのテーブルに貴方の部下が座っているの」
「座っていないじゃないか」
「"たとえば"の話だってば……。でね、その隣のテーブルには私が座っているのよ。さて、ノッカー先輩はいったいどちらのテーブルに向かうのかしら? どちらのテーブルに座りたい?」
「部下」
「即答って……。やっぱり貴方、私より部下の子達の方が好きなのよね」
「いや、お前も一応俺の部下だろうが」
「え、部下のほうに私も入ってるの? 私を入れちゃ駄目よ? だって、それだと私分裂してない?」
「心配するな。もう一人のほうのエフィレも、俺がすぐにこっちのテーブルに呼んでやる。みんなで一つのテーブルを囲めば全部解決じゃないか!」
「違うのよ、ノッカー。私はとんち問題がしたかったわけじゃないのよ」
――――
「三班の班長さん! 見てください!」
「見るだけで良いのか?」
「見るだけで良いんです! ほら、これ! にゃんこ帽子ですよ! やっと手に入れたんです!」
「そうか。見たぞ」
「更に見てください! どうですか! 被ると、まるでバジルに本当に猫の耳がはえたみたいに見えませんか!?」
「そうだな」
「バジルにもついに念願の猫耳がついたのです! もうこれはバジルの一生の宝物ですにゃ!」
「……にゃ?」
バジルがまだ事務所に入ったばかりで、あんまり猫語を使ってなかった頃。
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